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(社)仙台市薬剤師会のスタンダードジェネリック選定について

平成20年4月16日
会員 各位

                            (社)仙台市薬剤師会 副会長
                                                                 高橋 將喜

(社)仙台市薬剤師会のスタンダードジェネリック選定について

 平成20年4月より、医師も薬剤師もGEの使用を考慮することが義務づけられました。 そこで(社)仙台市薬剤師会ではGE検討委員会を立ち上げ、会員の先生方がGEを選択する際の参考になるよう (決して推薦しているのではございません)、(社)仙台市薬剤師会スタンダードGEを選定することになりました。
スタンダードGEの選定基準および薬局がスタンダードGEを選択するメリットは下記に、スタンダードGE一覧表(未完成) は別紙に記載していますのでご覧下さい。

ご意見やご質問があれば事務局までお願いいたします。

(*)1)スタンダードGE一覧表の薬剤には薬価(先発・GEとも)を記載する予定です
   2)特定のメーカーのGEだけを選定することを防止するため、1つの先発医薬品に
    対し、 3つ以上のGEをスタンダードGEとして選定する予定です
   3)スタンダードGE(1)は仙台市内の官公立病院で採用しているGEを参考にして
    選定しました
   4)スタンダードGE(2)は仙台市内以外の官公立病院で採用しているGEを参考に
    して選定する予定です


(1)(社)仙台市薬剤師会スタンダードGE選定基準

1)必ず安定供給されるGEをスタンダードGEとして選定する

2)オレンジブック掲載のGEおよび臨床データ、臨床的データ、患者保管時の条件における薬剤安定性データ、 一包化したときの薬剤安定性データ、体内動態データ等を有するGEを優先して選定する

3)仙台市内の官公立病院、院外処方せん発行枚数の多い民間病院(当会調査による) において採用しているGEを優先して選定する
  (GEの使用経験豊富な医師・薬剤師にGEの臨床使用経験を確認できるメリットがある)

4)GE発売後のDI提供体制が確立しているか、あるいは確立可能なGEを優先して選定する
(GE発売後に発売された他薬との飲みあわせや相互作用の情報およびそのGEが原因で起きた有害事象の情報を、 直ちに採用薬局に提供できる体制を確立している、あるいは確立できることが必要)

5)新薬を製造・受託製造・販売しているGEメーカーのGEを選定する
(高品質であることと、医療機関から薬剤情報を収集する体制や医療機関に情報を提供する体制が確立されているGEメーカーが多い)

6)原薬メーカーのGEを優先して選定する
  (薬剤の品質や安定供給が確実である) 


(*)実際の選定に当たっては特に上記3)を重視しました
   それは、「くすりは効いてなんぼ。臨床的効果が同じなら先発医薬品とGEの薬学的差は気にならない」という医師もいる (今後は増加すると予測)ので、スタンダードGE選定には臨床使用経験を重視することにしました。
また、「GEの臨床使用経験値」の高い官公立病院採用のGEの方が、中小民間病院採用のGEより安全性が高いと考えたからです

  (@)GEの臨床使用経験値(GEX)を表す式を以下のように定める
    
   GEX = (処方せん枚数)×(使用医師数)×(使用薬剤師数)
                              ×(使用診療科数)×(使用病院数)
       

   ・GEXが高い程、GEが多くの患者に使用されていると同時に多数の医師・薬剤師がGEをチェックしていることになる、また (使用診療科数)や(使用病院数)を計算式のファクターとしたのは、複数の診療科の医師や複数の病院の医師・ 薬剤師が異なる観点からGEをチェックしていることにより、GEの安全性がより高まるのではないかと予測したからです

 

(2)薬局がスタンダードGEを選択するメリット
1) 忙しい薬局もGEを選定できる
  (スタンダードGEを参照すればGEの選択が容易になる)
2) 同一エリア内で、ある程度統一されたGEを使用することは患者(特に、入退院を繰り返す患者やかかりつけ薬局をもたない患者) のリスクを軽減できる
  (前述の患者は、前回と同一内容の処方箋に対し、医療機関ごとに色や名前が異なるGEを調剤され、 患者が同一成分のGEを違う成分の薬と勘違いして、同時に服用する恐れがあるので)
3) スタンダードGEを選択した薬局は、GEに係るリスクを分散できる
  1)多くの医療機関で使用しているGEの方が、自分の薬局だけが選択したGEより「臨床使用経験値」が高くなり、 その分トラブル発生率が低くなる
     2)トラブルが発生したとき、スタンダードGEの方が患者を説得しやすい)
4) 安定供給ができる
     (卸からの購入が容易になるだけでなく、近隣の薬局との貸し借りも容易になる)
5) 臨床使用経験の豊富な他施設の医師・薬剤師より、GEの臨床(的)経験に基づく情報を容易に入手できる
6) スタンダードGEを選択した場合は、自信をもって患者に推薦できることが多くなる
  (アレルギーに対する不安は残るが、「臨床使用経験値が高いので副作用の発生率は低い」ということは患者に説明できる) 

 

 

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