プール管理(濾過機と薬品)
プール清掃時の注意
・集水枡のフタの安全確認
(直径15cmでも吸い込まれると大人3人がかりで引っ張っても抜けない)
・コンクリートプール壁部分の藻の処理(水を抜く前に処理か、次亜でうすめて)
(プールのハシゴも手や足の汚れがつきやすいので藻が生えやすくなる)
・洗剤の種類(プール本体及び塗装により違う) パウダーはダメ
・バランシングタンクの清掃、補給時のドロの逆流(サヤマ式)
参考:1)大腸菌の出やすいポイントは濾過機から遠いところ (水が動きにくいから)
2)プールのまわりに草木が生い茂っているところ
海岸線のカモメの害に注意
シーズン中の濾過機の管理
・濾過機の種類(珪藻土式・砂式等)
・毎朝濾過機の確認、日中時々モーターの音を確認
・モーターにだけ注意すれば、濾過器は操作ミスではこわれない
・モーターポンプ異常音はすぐ連絡(シーズンオフ、ベアリングがさびている)
・機械室の換気(モーターの熱は外気温+40℃)
・アンメーター(電流計)があれば正常時の指針確認
・濾過機の運転方法
運転時間(連続運転と日中のみ)
珪藻土の使用量(少なくてはダメ)バケツの使用
濾過機だけでは、水はきれいにならない。(塩素濃度と補給水)
参考 1)濾過機は浮遊しているものは濾過できるが浮いているものは
濾過できない。タン・鼻汁は砂濾過機は素通りする
2)ヘアーキャッチャーは週に最低1回くらい清掃必要
3)さびが出てくると 配管のパイプのさび→プールの底に沈む
→沈んだものは濾過機では難しい プール用掃除機で吸引
4)プール水が変色しても1日で元に戻る
5)児童が入る前は透明だが児童がはいったら急にプール水が濁るのは
→プールの塗装は塩素で劣化する=粉がふく(チョーキングという)
→足の裏でチョーキングの粉がまき上がる
→チョーキングの粉は細かい=砂濾過機ではダメ
・プールの壁を触って白くなるのもチョーキング
・チョーキングには凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を使用する
6)砂濾過機の特徴
タフで信頼性がある 3から5年で補充 8年で入れ替えする必要あり。
最初の頃の砂は、角張っているが、長年使うと砂が丸くなり、すき間が多
くなり、効果が落ちる
水質管理
・pHは毎朝塩素投入前に計る。(塩素濃度とBTBの件)
・残留塩素は、出来るだけ多く測る。(1時間で1mg/リットルが0になる)
・DPD
・pHと塩素(目の刺激、殺菌力の問題)⇒資料2
・洗体槽の塩素濃度とシャワー(プール水への影響)
・休校時の管理(藻の発生)
シーズン後
・濾過機を止めて最終点検を待つ(点検時、シーズン中の調子を業者へ)
・機械室の薬品は別室へ(機械がさびる)→有効期間がある
・水道を止めて水抜きをする(学校で)
・最終点検1ケ月後漏水の確認(シーズン中の漏水の件)
☆濾過機とpHの問題
プール水がpH8以上、pH6以下になると、有機物が水に溶解してしまうので、濾過機
を運転しても有機物が取れず、過マンガン酸カリウムの消費量が増加する。(殺菌 効力
の低下)
この様になると規定量の薬品を投入しても、塩素濃度が水準まで上がらなくなる。この
様なプール水にpH調整剤(炭酸ナトリウム又は粉末硫酸)で中和すると、有機物が凝
集して、プール水は大変きたない水に変って驚く事になります。
有機物でも、無機物(鉄)でも、水に溶解している時は目に見えないので、きれいな水
に見えるのである。ですからpHを狂わせて濾過機を運転しても効果があがらないのです。
従ってpHは、6.8から7.5の間に保っておかなければいけません。
以上の事は、次に示す殺菌効果にも大きな影響を与えます。
参考 1)pH6以下になると酸っぱい水で目が痛くなる
濾過機がボロボロになる
児童の油・アカは酸性の水に溶け込む
pH5.6 で KMnO2 の消費量がどんどん上がる
2)pH8以上になるとぬるぬるして目が痛くなる
濾過機がゴミを取れなくなる
児童の油・アカが多い→濾過装置で取る
次亜塩素酸ナトリウム=pH12.5
☆プール水のpHと殺菌効果
プール水に塩素を入れると次亜塩素酸(HOCl)が生成され、この次亜塩素酸は
さ らにpHによって解離(分解)して次亜塩素酸イオン(OCl-)にも移行する。次亜
塩素酸は強力な殺菌力を持つが、次亜塩素酸イオン(OCl-)は、次亜塩素酸の
1/100の殺菌力しかないので 0.4から0.6 mg/リットル あるからといって安心は
できない。
それでは、プール中に次亜塩素酸を多く、次亜塩素酸イオンを少なくするにはど
うすればよいか? という事です。この割合は、pHによって左右されるのです。 右
の図を見て下さい。
ここで解離していない次亜塩素酸 HOClと
次亜塩素酸イオンOCl-の割 合は、水素イオ
ン濃度、すなわpHによって左右され、図1のグ
ラフのようになります。pHが7の場合には、次
亜塩素酸 HOClが 70%、次亜塩素酸イオン
OCl-が 30%であり、pHが8の場合には逆に
次亜塩素酸HOClは20%となり ます。pHが
7以下の時は、次亜塩素HOClが主役となっ
て強力な殺菌力を持つようにな るわけです。
以上の様なわけですから、pH8で 0.4 mg/
リットル あるといっていても、プール病とか藻 の
発生は充分考えられますので、pHには充分
注意して下さい。ゆえにpHは6.8から7.5の範
囲で管理することが、最も望ましい事に なります。
この範囲では水質(pH)による目の痛みはありません。
※pHの変化 pHは多くの人間がプールに入るとアルカリに移行するし、補給水との兼ね
合いもあ り、一概にいえないが、使用する殺菌剤による変化が大事と思います。
アルカリ側に変化するもの 次亜塩素酸ソーダ(液体)
次亜炭素酸カルシウム(ハイクロン、南海クリヤー等)
酸性に変化するもの 塩素ガス(液体)
塩素化イソシアヌール酸(ネオクロール90W、ハイライト90%等)