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空気の検査の実際

HCHO 中学校の空気の検査をしてきました。3時間目の始まる頃、学校に到着、早速、屋外で二酸化炭素濃度を測定します。100ml吸引して2分後に判定します。280ppmくらいでした。くらいというのは、変色の境界が何となくぼんやりしているからです。
 必ず、養護の先生に確認してもらいます。
 授業開始後30分に測定となっていますので、その間にパソコン教室等でホルムアルデヒドの検査をします。ホルムアルデヒドはほとんど検出されないので、100mlの吸引を10回繰り返し、1000ml中のホルムアルデヒド濃度とします。それでも私が過去に検査した学校で、ホルムアルデヒドが検出されたことはありませんでした。
 授業開始30分頃、授業中の教室におじゃまして二酸化炭素の濃度を測定します。教室の真ん中で、生徒の顔くらいの高さに検知管がくるようにしゃがんで100ml吸引します。そして2分後に判定します。環境基準は1500ppm以下が望ましいとなっていますが、休憩時間の換気がうまく行ってない教室では、2000ppmを超えることがあります。その場合は予備の検知管が学校にもありますので、その検知管で今度は50ml吸引します。1分30秒後に判定します。その数字を2倍すると、100ml中CO2の二酸化炭素濃度になるのでその結果を報告書に記入します。湿度・室温・在室人数の確認も忘れないようにします。学校によっては、その検知管を、翌日の職員会議で先生方に見せて説明するようです。(翌日ですから変色域が微妙に変わると思いますが)先生方に換気を促してもらうのにいい材料となるようです。
 検査がすべて終了したら、授業中ですが先生にお願いして数分時間をいただき、「学校薬剤師の○○です。今、空気の検査をしました。空気にはいろんな成分が含まれていますが、二酸化炭素の濃度を測定しました。皆さんは、呼吸して酸素を取り入れ二酸化炭素を吐き出します。ストーブが燃えると酸素を消費して二酸化炭素が発生します。ですから、二酸化炭素の濃度を測定すると、この教室がどれくらい汚れているか、また休憩時間にちゃんと換気したかどうかがわかります。学校環境基準では1500ppm以下が望ましいとなっていますが、今、この教室にはどのくらいの二酸化炭素があったと思いますか? はい、○○ppmもあったんですよ。二酸化炭素が多くなるとあくびが出たり、頭が痛くなったり、ひどくなると吐き気がしたりするんです。
これではせっかくお勉強しても、頭に入りませんね。休憩時間にしっかり換気をすると、みるみる二酸化炭素濃度が下がりますので、しっかり換気して下さい」と説明します。この効果は何日かはあるようですが・・・。

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