Top >  実務実習生の学校薬剤師に関する実習(見聞)をやってきました

実務実習生の学校薬剤師に関する実習(見聞)をやってきました

  7月7日に薬科大学の学生3名を連れてプールの検査に行ってきました。当日は10時に校門前で集合と約束していました。もし、雨が降っても採水はしないが方法を説明してプールの残留塩素を測定してもらうという約束でした。幸い雨は降らず、学生さん達は3名そろってタクシーで15分前には現場到着。初対面なので名刺を渡し、名簿の名前と本人を確認しました。

  早速、保健室へ行き、養護教諭を紹介。保健室を借保健室で照度の測定りて1時間、学校薬剤師の仕事について講義?をしました。1年間の仕事の内容、学校保健安全委員会の事などを説明し、照度計を使って保健室を普通教室に見立て、実際に照度を測定してもらいました。黒板面の照度の測定法、生徒の机上の照度の測定法、廊下側と窓側の照度の差、カーテンの効用を体験してもらいました。

  体育の時間が始まったのでプールに移動。プールの付帯設備(ろ過装置、塩素消毒ポンプ室)を見て回り、靴下を脱いでプールサイドへ。「生徒に思いっきり水をかけられるから覚悟しておいて下さい」と予告しておきました。プールの深さ、排水口のボルトを目視チェック、ろ過され塩素消毒された水が注入される箇所の説明、注水蛇口をどういうときに使うか、水鳥による汚染の可能性、人的汚染(夜中にプールサイドでバーベキューをした人がいたという例)を説明したあと、養護教諭の先生の過去の経験(低学年の生徒が大便をしてしまった)をしてもらいました。ヒドイ汚染が予測されるときには、プール水の入れ替えも想定されるが、30万円くら残留塩素測定体験いの水道代がかかるので極力避けたいお話しとか。そんな準備を済ませてから水温測定、気温の確認、残留塩素の測定法、残留塩素が飛んでしまう条件を説明しながら実際に市薬から配られたDPD試薬を使って残留塩素を測定してもらいました。その間、予告した通り、生徒のバタ足でプール水の洗礼を受け、みんなで苦笑。

                               プール水採取    
  プール水の管理だけでなく、プールサイドの清潔さを保つための諸注意をしながら、実際に採水するところを見てもらいました。トリハロメタンの容器には空気が入らないように採水する事。細菌用の容器には、好気性菌のために空気を残しておくこと。測定の邪魔をしないように容器にはハイポなどが入っていることなどをお話ししました。

  プールの真ん中での採水には授業中の先生にお願いして、1本ずつ採水していただく場面も見聞してもらいました。プール水の採水が終わり、保健室に戻って中央部の採水今日の感想を聞きながら、「執務記録帳には、あなたならどのようにコメントを書きますか?」と一人ずつ答えてもらいました。最後に私が模範解答?を示し、執務記録帳に記入したところで、出張中で不在の校長先生の替わりに教頭先生が保健室に来られ、学生達に声をかけて下さり小学校での実習を終了しました。  

                                      
  「君たちは薬を買いに行くときどこへ行く? 街の街の薬局見学薬局へ行ったことがあるか」との問いに「No」との返事。「では、帰りにウチを見学してからお帰りなさい」と少し時間を割いてもらいました。この年代の人たちは、ドラッグやコンビニには行くが街の薬局には行ったことがないという人がほとんどのようで、珍しそうに店内中を見学し、本日の見聞を無事終了しました。指導薬剤師の先生からご丁寧にお礼の電話があり、学生達が喜んでいたとの話を聞きホッとしました。

 <  前の記事 学校保健室寝具における効果的ダニアレルゲン除去指導について  |  トップページ  |  次の記事 最近、学校から相談された事例  >